風と今を抱きしめて……
 真矢は大輔と陸の様子を見ているうちに、いつのまにか眠ってしまっていた。

 カーテンの隙間から朝の光がこぼれ目が覚める。

 大輔の側へ行き額に手を当てる。

 熱は下がったようだ。


 真矢は、ほっとして大輔の寝顔を見た。

 きれいに整った顔見つめ、夕べの大輔の胸の鼓動を思い出していた。

 真矢はそっと大輔の唇に自分の唇を重ねた。


 真矢はタオルの入った洗面器を持ち、大輔の側をそっと離れた。


 
 真矢の離れる気配を感じ、大輔はそっと目を開た。

 そして、もう一度、眠りについた。
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