風と今を抱きしめて……
勇気
夏休みを目前に国内外問わず旅行の来客、電話、メールに慌ただしく追われている。
大輔も忙しい中、時々真矢に目をやる。
一郎の話の後、益々真矢の事が気になった。
自分でも真矢の事が好きだと確信していたが、半端な気持ちでは真矢の心は動かないだろうと思っていた。
大輔は、真矢に声を掛けられないまま時が過ぎていた。
又、真矢も大輔の事は気になっていたが、大輔をあえて見ないようにしていた。
真矢は自分でも分かっている。
人を好きになる事に自信がないのだ。
怖いのだ。
ユウが、そんな二人の姿に、大きくため息をついた……