風と今を抱きしめて……
真矢の窓口の顧客対応が終わると、奈緒美が近づいて来た。
「真矢さん、新しい企画の件で、五時半に本社との打ち合わせがあるそうです。真矢さんも出席するようにと、本社から連絡入っています。」
「えー。私も?」
真矢は眉に皺をよせる。
「じゃあ、私陸の迎えに行くわね。どうせだから、夕食もたべさせておくわ」
横に居たユウが顏を向けて言った。
「いいの? いつもごめんね……」
真矢が、申し訳なさそうな顔をする。
「陸は任せて、ちゃんと仕事してらっしゃい」
ユウは真矢の肩を軽く叩いた。