風と今を抱きしめて……
ユウと谷口は、子供が生まれる事が自分の事のように楽しみになった。
出産準備に夢中になってしまい、一郎への報告が疎かになってしまった。
勿論、一郎に二人は呼び出され怒られた。
少し秋風が夕方冷たく感じ、秋物のジャケットを羽織った。
ユウが仕事帰りにコンビニに立ち寄ろうとしたとき、スマホの呼び出し音が鳴った。
真矢からだ。
「今日検診でね、子宮口が一センチ開いているって。もうすぐらしいの。ユウ、今日泊りに来てくれない?」
心細い声だった。
真矢が自分からユウに頼み事をしたのは、この時が初めてだった。
「分かったわ。支度したらすぐに行くから待っていてね。大丈夫よ、心配いらないわ」
「良かった。夕食は用意しておくから、食べないで来てね」
真矢の声が明るくなった。
ユウはコンビニへの向きを変え、近くの衣料品店へ入った。
ピンクのキティちゃんのスェット上下とピンクのヘアーバンドに適当な女性用の化粧水などを買った。
これは、真矢にユウを女性だと意識させ安心させる為であったが、ユウ自信が男としての感情を真矢の前で消すための道具でもあった。
出産準備に夢中になってしまい、一郎への報告が疎かになってしまった。
勿論、一郎に二人は呼び出され怒られた。
少し秋風が夕方冷たく感じ、秋物のジャケットを羽織った。
ユウが仕事帰りにコンビニに立ち寄ろうとしたとき、スマホの呼び出し音が鳴った。
真矢からだ。
「今日検診でね、子宮口が一センチ開いているって。もうすぐらしいの。ユウ、今日泊りに来てくれない?」
心細い声だった。
真矢が自分からユウに頼み事をしたのは、この時が初めてだった。
「分かったわ。支度したらすぐに行くから待っていてね。大丈夫よ、心配いらないわ」
「良かった。夕食は用意しておくから、食べないで来てね」
真矢の声が明るくなった。
ユウはコンビニへの向きを変え、近くの衣料品店へ入った。
ピンクのキティちゃんのスェット上下とピンクのヘアーバンドに適当な女性用の化粧水などを買った。
これは、真矢にユウを女性だと意識させ安心させる為であったが、ユウ自信が男としての感情を真矢の前で消すための道具でもあった。