オセロガールの計算違い3
1時半くらいに教室にノリコがやって来た。
こいつが来るとろくなことにならないので、わたしはいやな予感がした。
同中のノリコは、わたしから幼稚園の頃からお嫁さんにしてもらう約束をしていた幼なじみを奪い、わたしを現実逃避におちいらせた過去を持つ因縁の相手だ。
「さとみ、行くよ」
「行くってどこによ?」
「どこにって、ライブでしょ」
「なんであんたが行くのよ?」
「ジュンもはじめも出るんだから見たいじゃん」
ジュンというのは、滝野川ジュンくん。わたしはときめかなかったけど、まあまあなイケメンさんだ。目立たないはじめちゃんとは、正反対な存在だけど何故かずっとつるんでいて、文化祭でもバンドを組んでいた。どうせ、滝野川くんが強引にはじめちゃんを誘ったんだろうけど。

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