【短】好きで好きで愛して泣いて


披露宴は、学生時代の子や会社の先輩後輩達が余興で華を添えてくれ、上司や親戚のおじさんのスピーチに笑わせられ、親友の手紙に泣かされる。


二度のお色直しの度に、妹が涙を流しながら、これでもかというくらい写真を撮ってくれた。


これ以上飲めないというくらいの祝杯に見舞われた彼は、潤んだ瞳で私を見て、そっと「惚れ直したよ」と耳打ちしてきて、私はメイクが落ちてしまう事も構わずに涙を零す。


永遠に同じ時間を過ごし、永遠に愛しい記憶を辿れるように。

そんな思いを込めて、感謝の礼を尽くし披露宴を閉じた私達は、そのまま式場に呼ぶ事ができなかった友達達が待つ二次会へとなだれ込む。



手厚い祝福を受ける間も、繋いだ手は離れない。



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