俺様御曹司に飼われました
「俺はお前がいい」


「……っ」



そんなことを言われてしまうと、悪魔が好きなあたしは彼を遠ざけることができない。



「この写真みてなにか思わないの?」



画面に表示された写真を指さす。



「あたしに似てるなーって」


「まぁ、そりゃそうだろうね」


「偶然ですね……」


「必然だよ」



悪魔の言葉に、彼の顔を見上げる。



「必然?」


「うん。俺はお前に出会えたのは神様からの贈り物だと思ってる」


「……っ」



そんなこと言って、どうせその人が現れたらそんな贈り物もなかったことになるくせに。

それなのに、どうしてあたしは喜んでしまうのだろう。
こんな、悪魔の一時的な感情に振り回されてしまうのだろう。



「だからさ、俺から離れんなよ」



ソファーの上でチュッと軽く口付けをする。



「離れられない気がする……」


「さすが、俺。そうなるように手懐けてるからな」



得意げな顔になる。

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