俺様御曹司に飼われました
「信じらんねぇ……そんな奴が近くにいるとかまじで無理なんだけど」



心底嫌そうな顔をしてる悪魔。



「でも、今は仲のいい同期というか……」


「それはお前だけ。このまえだって告られそうになってただろ?」


「……うっ」



あの日から、たしかに音哉はあたしのことが好きなのかもしれないと感じてる。
でも体だけの関係だったし、その時は大してそんな素振りを見せることもなかった。



「あー!あいつの事考えてんだろ!?それだけでムカつく」



そして、目の前のこの人はこんなにも嫉妬をする人だっただろうか。
まぁ、はじめの頃より表現が豊かになったのかもしれない。

あたしは、それを嬉しいと思うしかわいいとも思う。

でもきっとそれは……。
元カノに似てるあたしを誰かに取られるのが嫌だから。

あたしを元カノに重ねてるだけであって、あたしをとられたくないからではない。

それなのに嬉しいと思ってしまうあたしは、本当にこの悪魔のことが好きなんだ。

悪魔なのに……。
悪魔のくせに……。

嫌いになれない自分が1番嫌い。

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