俺様御曹司に飼われました
「あたしは、暁さんのことちゃんと好きです」


「うん」


「好きだから、ハッキリさせたい」



こうして言えば、また逃げられるんだろうか。

〝好き〟なんて言葉もらえるとは思ってないけど。
少しくらいは、期待してもバチは当たらないかな。



「俺、わかりやすいと思うけど?」



悪魔がくれた言葉は望んだものではなかった。



「わかりやすいって……」


「ってかさ、敬語かタメ口かどっちかにしろよ」


「いや……」



年上だし、社長の御曹司だし。
敬語じゃないといけない気がして敬語を使うんだけど、どうしても一緒にいるうちにタメ口になってしまう。



「タメ口でいいから。俺の彼女なんだろ?」


「……うん」



また話かは逃げられたなと感じつつ、頷く。



「じゃ、タメでいいじゃん。あとさ、暁って呼べよ」


「……あき、ら」



あたしが名前を口にするとふっと優しい笑みが暁から零れる。

……あれ、なんだろう。
なんだかふわふわしたようなそんな感覚。

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