俺様御曹司に飼われました
「ごめん、せっかくの同期会だけど帰らせて」



横にあった上着とカバンを手に取る。

さすがにこのままこの場にいるのは耐えきれなかった。



「茅ヶ崎!待てよ」



追いかけてきたのは、悪魔ではなく東條くん。



「東條……くん」


「お前、進藤となんかあったの?」


「……わからない」



正直もうわからない。
どうするべきなのか。
彼があたしをなんだと思ってるのか。
なにもかもがわからなかった。



「ちょっとそこの公園いくか」



ぽんっとあたしの頭を叩く。



「……うん」



東條くんのあとについて、道路の向こう側にある公園に向かう。


少し、東條くんがいてくれてホッとした。
あのまま帰るなんてことできなかったし。



「はい」


自販機で買ったココアをあたしに差し出してくれる。



「温かい……ありがとう」



秋の夜空は少しだけ肌寒くて。
それは悪魔に突き放されたからかもしれない。

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