俺様御曹司に飼われました
「泣くなよ……」
慌てたように着ていたカーディガンの裾であたしの涙を拭う。
「だって、もう本当にわからなくて。自分の立ち位置」
「なんでだよ。お前は俺の彼女だってずっと言ってんじゃん」
「そんなのほしい言葉じゃない」
あたしがほしい言葉はただ一つ。
でも、嘘をついて欲しいわかじゃない。
「いままで人に自分の気持ちなんて言ってこなかったんだ、俺」
「……うん」
「でも、言葉にしないと伝わらないんだって心海と出会って知った」
「う、ん」
すごく優しい顔をしてる悪魔に、あたしの心は簡単に期待をしようとする。
なにがあるかなんてわからないのに。
「好きだよ」
あたしをそのまま抱きしめる。
「……っ」
「改めて言う、俺と付き合ってください」
抱きしめた腕を解いて、あたしを真剣な顔で見つめる。
「は、い……」
真剣な表情にこれは嘘なんかじゃない。
悪魔の真剣な想いだって伝わってきて、あたしの瞳から一筋の涙が零れ落ちる。
「また泣く。泣き虫かよ」
フッて笑ってあたしの涙を拭く悪魔に、やっと彼の心の中に入れた気がした。
まだ、きっと元カノのことは好きだと思う。
でも、思い続けたままでもいい。
それでも、あたしのことをすきでいてくれるなら。
──あたしはそれ以上の愛を与えるから。
慌てたように着ていたカーディガンの裾であたしの涙を拭う。
「だって、もう本当にわからなくて。自分の立ち位置」
「なんでだよ。お前は俺の彼女だってずっと言ってんじゃん」
「そんなのほしい言葉じゃない」
あたしがほしい言葉はただ一つ。
でも、嘘をついて欲しいわかじゃない。
「いままで人に自分の気持ちなんて言ってこなかったんだ、俺」
「……うん」
「でも、言葉にしないと伝わらないんだって心海と出会って知った」
「う、ん」
すごく優しい顔をしてる悪魔に、あたしの心は簡単に期待をしようとする。
なにがあるかなんてわからないのに。
「好きだよ」
あたしをそのまま抱きしめる。
「……っ」
「改めて言う、俺と付き合ってください」
抱きしめた腕を解いて、あたしを真剣な顔で見つめる。
「は、い……」
真剣な表情にこれは嘘なんかじゃない。
悪魔の真剣な想いだって伝わってきて、あたしの瞳から一筋の涙が零れ落ちる。
「また泣く。泣き虫かよ」
フッて笑ってあたしの涙を拭く悪魔に、やっと彼の心の中に入れた気がした。
まだ、きっと元カノのことは好きだと思う。
でも、思い続けたままでもいい。
それでも、あたしのことをすきでいてくれるなら。
──あたしはそれ以上の愛を与えるから。