俺様御曹司に飼われました
「その時の別れさせ方がちょっとキツかったから、何年かは本当に口を聞いてもくれなかったけどね」


「……そうなんですね」


「もし、また誰かを愛してしまうならその時は止めれない気がする。だから、もし君がその相手なら君から身を引いてもらいたい」



社長が深々とあたしに頭を下げる。



「や、やめてください!頭、あげてください!」



こんなとこ誰かに見られたらたまったもんじゃない。



「こんなこと頼むべきじゃないのはわかってるんだがね……」


「はい……」


「あの時のように暁に嘘をつかせるのはもう嫌なんだ。すまない……」



社長が息子のことを思う気持ちはわかる。
でも、あたしだって悪魔のことが好きだ。
身を引くことなんてできない。

でも、それが悪魔のためならばあたしはいつだって身を引く覚悟はできている。



「今後のことは考えさせてください」



ペコっと頭を下げて、社長に背を向ける。

これからあたしはどうするべきなのだろうか。

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