俺様御曹司に飼われました
「わっ」



マンションのドアを開けて、エントランスに入ろうとした時、向かいから人が出てきてビックリした。



「あ、驚かせてごめんなさい。大丈夫ですか?」


「あ、全然大丈夫です!」



あたしが勝手に驚いただけなのに、優しいこの人。
すごく可愛らしい女性だった。



「あの……?」



彼女を見てるあたしに不思議そうに首をかしげる。



「あ!ご、ごめんなさい!すごく綺麗だなと……」


「ふふ。ありがとう」



笑い方も上品で、あたしもこんな女性になりたかったと思うくらい魅力的だ。



「萌香さん、おまた……せ」



ドアが開いて聞こえてきた好きな人の声。



「……っ」



この人、悪魔の婚約者だ。
咄嗟に直感がはたらいた。

悪魔も萌香さんの隣にあたしがいることに目を見開いている。



「暁さん。行きましょ」


「えぇ……」


「暁さんの部屋であのまま待ってもよかったんだけど、いつまでもいては悪いかなって思って先に出てきちゃった」



ニコッと笑う姿は、やっぱり可愛らしい。

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