俺様御曹司に飼われました
「暁」



俺の大学の休みを見計らってか、親父が家にやってきた。
心海のいない平日の休みを狙ってくるとか、計画性ばっちりだよな。



「……親父」


「ここで、茅ヶ崎さんと暮らしてるのか?」


「そうだけど」



心海は、この前親父に離れるように言われたと聞いた。



「また意味のないことをしてるのか?」


「意味のない……?」


「どうせずっと一緒にいることなんてできない。それなのにいま一緒にいることは意味のないことだとは思わないか?」


「……っ……ざけんな!俺は望まない結婚なんてするつもりはねぇよ!」



俺はもう高校三年だったあの頃とはちがう。
もう、親父の言いなりになるしかないと思ってた18のガキじゃねぇんだ。



「どうしたら分かるんだ……。萌香ちゃんと結婚してくれないといつかはうちの会社に影響が出るんだぞ?」


「そんなの知らねぇよ!俺は自分の立場なんてどうなってもいい!心海と一緒にいたいんだよ」



親父にとってはそんなの戯言にしか聞こえないのかもしれない。
でも、心海といることが今の俺のすべてだから。

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