俺様御曹司に飼われました
「茅ヶ崎さんに被害が及ぶとしてもか?」


「は……?」


「茅ヶ崎さんの親について調べて、仕掛けることはできるんだよ」


「またそんなことっ!なんで親父は俺の幸せとかそういうのを考えてくれねぇんだよ!大事なのはあくまでも会社かよ!だから母さんだって……!」



あのころのことを思い出すと胸が苦しくなる。

アイツの手を離した俺と、親父のことを第1に考えて行動してきた母親の死。
すべてか重なって、俺は殻に閉じこもった。



「暁のことは大事にしたいと思ってる」


「ならっ!」


「でも、この結婚は暁のためにもなるから譲れないんだ。頼むから分かってくれ」



俺に対して深々と頭をさげる。



「俺は俺のすきなやつと一緒にいるのが幸せだよ」


「好きだけがすべてじゃないんだ、考えてくれ」



俺の肩をポンっと叩いて、リビングから出ていく。



「親父!」



親父の背中に呼びかける。

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