俺様御曹司に飼われました
「……暁は何処に行くつもりなの?」



部屋のドアを開けて、見えたのは開いたキャリーケースに詰め込まれた衣服。
ボストンバックも置いてある。



「……アメリカ?」


「いついくの?」


「明日」



お局たちの会話は間違いじゃなかった。

彼女たちがどこで仕入れた情報なのか、わからないけど。
あたしは彼女のはずなのに知らなかった。



「暁は、あたしと別れるつもりなの?」


「は?」



首を傾げてる悪魔にフツフツと何かが込上がってくる。



「は?じゃないよ!あたしにはどうして教えてくれないの?」


「今日言おうとしてた」


「先週には決まってたよね!?」


「……っ」



悪魔の眉間にシワがよる。



「部署の人たちが噂してた!なにも知らなかったあたしの気持ちわかる!?」


「ごめん……」



ぐいっとあたしの腕を引っ張る。



「これでバイバイするつもりなのかと思った……」


「そんなわけねぇだろ……言おう言おうと毎日思ってた。でも、離れるのが怖くて言えなかった……」



コツンとあたしの額に悪魔の額がくっついて、顔が近くなる。

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