俺様御曹司に飼われました
「母さんの故郷いいとこだなぁー」



高校三年の夏休み。
先輩でも後輩でも同級生でも。
とりあえず誰とでも殴り合いの喧嘩して、何の努力をしてなくても女は寄ってきてた。

俺が金持ちだから。
親父が日本を代表する会社の社長である俺は、小さな頃から次期社長としての教育を受けてきた。

でも、そんなふうに大人しくしてたのは小学生まで。
親父が家を顧みなくなった頃から俺は遊び始めた。

女なんて、ただ抱ければなんでもよかった。
人間なんて殴るような価値しかなかった。

金だけはいくらでもあったから。
なんでもできた。

そんな俺に見かねた母さんが、俺を故郷につれてきたんだ。

今いる場所は、北海道の厚岸というところ。



「夏は暑すぎなくて最高でしょ?」


「あぁ。空気もめっちゃいい」



俺が唯一この世で信頼してるのは、母さんだけだった。
母さんの前だけは素直になれた。



「つーか人なんて住んでんのかよ」


「ばか、住んでるに決まってるじゃない!ほら、暁と同世代の子達じゃない?」



バスから降りてくる制服姿の女の子たちの姿。

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