俺様御曹司に飼われました
「心海」


教室から出てくる心海を見かけて、声をかける。



「あ……」



俺の顔をみて一瞬にして顔が強ばる。

なかなか傷つく対応だ。



「なぁ、俺と話そう」


「や、彼氏きてるので……」



ペコっと頭を下げて、また俺の前からいなくなろうとする。



「なぁ、絶対にそいつより俺の方がいいって言わせる自信あんだけど」



心海の腕を引っ張って、先には行かせない。



「なんで……出会ったばかり」


「じゃあ前から知ってるならいいわけ?」


「……え?」



時間のことなんて言われたら、そんなの彼氏に叶うわけなんてない。



「いつからとかそんなの関係ねぇよ。出会った瞬間に好きと思ったら好きなんだよ」


「……よくもそんなこと、恥ずかしくもなく」


「恥ずかしがってなんていられねぇよ。心海を手に入れたいもん」



すぐに顔が赤くなる心海。



「真っ直ぐすぎ」



照れたような表情でぼそっとそう呟いた。

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