俺様御曹司に飼われました
「心海」



今日も心海と俺は会う。
いつもと同じように。



「暁」



休みの日のデートの誘いにも嫌がらずに来てくれる。

彼氏は夏休みが終わって、東京にいるらしいから俺は気兼ねなく心海を誘う。



「心海、そろそろ俺のこと好きになった?」


「な、ならないよ!」



すこし頬を染めるその表情に俺の期待は膨らむ。



「嘘ついてもわかるんだよ?」



心海に顔をぐいっと近づければ、たちまち頬は真っ赤になる。
出会った時と同じように。



「彼氏いるもん」


「俺には言い聞かせてるだけのような気がするけどな」


「も、もう!あたしは音哉を裏切らないもん」


「裏切れよ、そして俺んとこ来いよ」


「……っ」



心海がもう俺の方を向いてきてるのは分かってる。
心海ってすげぇわかりやすいから。
痛いほど、考えてることなんてわかる。

だから、手に入れたかった。
俺にはもう時間がないから。

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