俺様御曹司に飼われました
『今日1日だけ、心海といる時間をください』



心海に会う前に親父に頭を下げてきた。



『そうしたら東京帰るんだな?』


『帰る。もう心海にも会わない』



親父と約束してきた。
だから、心海と会えるのは今日が最後。

でも、俺は……。
どうしても心海に俺のことを好きだと言わせたかった。

最後の最後でいい。
最後の思い出が欲しかった。



「心海、俺のこと好きにならない?」


「……す、好きだよ」



俺から目を逸らして言う。



「ばか、俺のこと見て言えよ」


「好き!暁が好き!」



真っ赤な顔をして、それでも俺をちゃんと見て。
心海が本心を口にした。



「心海、大好き」



腕をぐいっと引っ張って、俺の胸に引き寄せた。



「なんでそんなに好きでいてくれるの?」


「わかんねぇ、でも最初からもう好きだったから」



どこが好きとかそんなのない。
もうとにかく好きなんだ。

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