俺様御曹司に飼われました
「どうぞ」


「おじゃましまーす」



靴を揃えて置いて俺の後についてくる。



「おばあちゃんちなんだっけ?」


「そう。ここ、母さんの実家」


「なんでここに?」



首を傾げて聞いてくる。



「ほんとはさ、ここに住む予定じゃなくて。母さんの帰省についてきたの」


「へー?」


「でも、あの日心海に出会ったから。無理やり編入した」


「……暁」



嬉しそうに笑う心海。

俺の言葉に笑顔を見せてくれるなんて、出会った日からは想像もつかない。



「好きになってくれてありがと」


「んっ……」



心海の唇に軽く口付けをする。



「なぁ、俺のだって印つけてもいい?」


「……っ」


「つけたい。俺のだって証明したい」


「い、いよ」



恥ずかしそうに俯きながら答える。



「心海、好きだよ」



耳元で呟いて、まず耳を甘く噛む。



「あっ……」


「耳、感じるんだ」



「……っ、んっ」



心海の声が可愛くて、耳を舐めてみれば甘い声が聞こえる。

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