俺様御曹司に飼われました
「……んっ」



耳元から首筋へ舌を転がして、心海の可愛くて甘い声を堪能する。



「んっ!」



首筋に俺のだって印を強く付ける。



「隠せないよ……」


「嬉しいくせに」


「音哉にやっぱり言わないと……これが誰かの口から聞かされてからじゃ……んっ」



心海の言葉を遮るように、唇に口付けをして舌を割り入れる。



「俺といるのにそいつの名前出されんのほんとムカつく」


「ご、ごめん」


「俺のせいにすればいんだよ。お前はなんも悪くねぇ。俺を好きになるように仕向けたのは俺だ」



人一倍わかりやすい心海は、どんなふうにすれば俺のことを見てくれるかなんて、なんとなくわかった。

それができたから、心海は俺を見てくれた。
だから、心海はなんの責任も感じることはないんだ。



「心海、俺のものにしていい?」


「……っ、う、ん」


「初めてじゃないよな?」


「う……うん」



俺が初めてがよかったなんて、そんな贅沢は不要だ。
でも、願うなら俺が最初で最後がよかった。

最後ってのは酷な話だけど。

この日、俺はもう抱けなくなる温もりを
強く強く、抱いた。

離れてもこの温もりを思い出せるように。
離れてもこの温もりを思い出してもらえるように。



「……愛してる」



寝てる心海の唇にそっと自分の唇を落とす。

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