俺様御曹司に飼われました
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「昼の便で帰るからな」



明くる日の朝。
親父が仏頂面で俺の前に立つ。



「……っ」


「1日やっただろ」


「……わかってる」



──やっぱり取り消してほしい。
そんな願いは聞いてくれるわけはない。
そんなの親父と今まで関わってきたんだからわかってる。
それが俺の親父だ。



「学校、昼まで行ってくるから」



親父に言い残し、制服を着て家を出る。



「この制服も最後か……」



たった2週間くらいしか袖を通さなかった。
制服を用意したのに、それも無駄にするなんてほんともったいねぇ。

でも、いままでもそういえば何でも無駄にしてきた。
別にもったいなくなんてなかった。

すべて、一時の暇つぶしだったんだ。



「心海に言わなきゃ」



──嫌われる一言を。

昨日スマホで撮ったふたりのツーショット。
俺も心海もめちゃくちゃ笑顔なんだ。
やっと心が通いあったんだ。

……でも、それも終わり。

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