俺様御曹司に飼われました
「……それで、楽しかったの?」


「全然。やっぱさ、金使う遊びしか俺にはむいてないんだよ。だから彼女の元に帰るわ。待ってるしね、俺のカワイイ彼女が」



ペラペラと心海を傷つく言葉が出てくる自分の口が嫌だ。
でも、こうするしかなかった。



「さい……ってい!」



その言葉と同時に俺の頬に痛みが広がる。



「……にすんだよ」



心海に叩かれた頬。
その頬よりも心が痛かった。



「こんなのってないよ!こんなに好きにさせといて!」


「ふーん?そんなに好きになってくれたんだ?じゃあもう1回抱かれとく?ここで」


「もう大嫌い!!!」



俺を突き飛ばして、教室から飛び出す。



「嫌われちゃったー……」



笑いがこみ上げてくる。
乾いた笑いが。



「お前、なにやってんだよ。いま茅ヶ崎さん飛び出してったけど」



ひょっこり顔を出したのは、草太。



「……草太。俺、今日の昼には東京戻る」


「もしかして、親父さんにバレたのか?」



草太には全部話してた。
いつかこうなる時に1人くらい知ってくれてる奴がいた方が心が軽くなるから。

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