俺様御曹司に飼われました
『……はい?』



スマホから聞こえてきた少し戸惑いがちの男の声。



「恩田先輩ですか?」



俺はなぜだかその声にピンときて、そう名前を聞いた。



『そうだけど……君は?』


「たぶん、俺のこと先輩は知らないと思います」



大学1年とき。
一つ上にあのとき、車によりかかって待っていた心海の彼氏を見つけた。

……ここの大学だったのか。
そう思った俺は心海も同じ大学にくるのではないかと、次の年の入学式に探してはみたけど見つからなかった。



『ん……?で、何のよう?』


「心海がどうして全てを忘れているのかを知りたくて」


『……心海?お前もしかして……』



恩田先輩は俺と心海のことを知っているようだった。
あのあと、心海は恩田先輩に話したのだろうか。



「先輩のもしかしてがどれの事言ってるのかはわかりませんがたぶん、合ってます」


『お前のせいだろ……全部』


「俺の……」



先輩の言葉が頭の中をかけずりまわる。

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