俺様御曹司に飼われました
「まぁ、やっとくけど……」


「よっしゃ!」


「ただ、新入社員は半年間合宿研修だからその後だよ」


「なっが……」



親父の会社だというのに、そういうことは何一つ知らなかった。



「まぁ、仕方ないか……」



入社式であの二人はまず出会ってしまう。
そして、合宿だって同じだ。

あの二人が先に出会いをやり直してしまうんだ。



「俺はまた……奪うのかな」



あの二人がまた付き合うことになれば、俺はまた奪うことになる。
でも、奪わないなんて選択肢はなかった。

もう、一緒にいられない選択肢なんてありえない。
もう、子供じゃない。

まだ、親父の金で暮らしてる俺だけど。
自分の地位なんてもうどうでもいいというくらいに想いは募っていた。

だから、願ったんだ。
もう1度俺を好きになりますようにって。

どんな形だっていい。
最初の出会いは最悪だっていい。

とにかく、心海の頭が俺でいっぱいになればいいんだ。

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