俺様御曹司に飼われました
「アキラ!」



大学の構内。
俺の腕に自分の腕を絡ませてくる金髪の女。



「俺はここにそういうことするために来てるわけじゃないって何度も言ってんだろ」



そいつの腕を振り払って再び歩く。

心海を日本に置いてやってきたアメリカ。
こっちにきてからもう三ヶ月が経とうとしてた。

離れれば離れるほど思い出す、心海のこと。
毎日毎日、頭から離れることはない。



「こっちは合格発表のことで頭いっぱいなんだっつの」



日本の女たちも俺に媚うっててウザかったけど、こっちの女たちはスキンシップがすごくて更にウザイ。

俺に触れてくるのは心海だけでいいのに。
ほかの女なんかいらない。

俺に触れていいのは、心海だけ。
俺が触れたいのは、心海だけ。

この三ヶ月間、とにかく猛勉強をした。
どうしても日本の大学の卒業式までにはあっちに戻りたくて。

本当なら心海と過ごしたかったクリスマスもなしだった。

でも、今だけ。
今頑張れば、心海との未来が待ってる。


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