俺様御曹司に飼われました
「ほら、乗れよ」



連れてこられたのは地下の駐車場。



「お昼休み1時間なので早く出てくるとこでお願いします」



行くいかないの押し問答をしていて、きづいたら10分もお昼休み無駄にしてる。



「そんなとこ行くかよ」


「いや!だって、あたし仕事!」


「ちょっと借りるって御堂(みどう)に言っといたから安心しろ」


「え?御堂さん?」



御堂さんはあたしの直属の上司だ。



「御堂は昔は俺のお世話係なんてのやってたからな」


「へ!?あの御堂さんが!?」



今では完璧になんでも仕事をこなす御堂さんがこんな悪魔のお世話係だなんて信じられない。



「あいつ、俺のいうことには従順だから大丈夫」


「で、でも!お仕事ですから、なるべくはやく帰りたい……です」



言い切ろうかと思ったが鋭い目つきに見つめられて最後が小さいこえになってしまった。



「そういうところいいな」



てっきり怒られるかと思っていたのに、すごく優しく笑ってそんなことを言うもんだから思わずその顔に見とれてしまう。

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