俺様御曹司に飼われました
「まぁ、進藤に聞いたんだよ」


「……親父に？」


「あぁ……こっちにお前が来るまえな。暁に大切な女の子ができたんだって喜んでたぞ」


「まさか……」



喜ぶなんて、そんなはずはない。
だって、親父は反対してたから。



「会社の経営のためには反対しなきゃならなかったみたいだけど」


「……はい」


「本当は進藤もずっと暁の幸せを願ってるぞ」


「親父が……」



まぁ、母さんのビデオレターのおかげで親父が俺のことを思ってくれているのはわかってた。

でも、自分の会社のためには手段をいとわない男だから。
条件をクリアしたっていろいろいわれるもんだと思ってた。

それでも俺は、この試験に賭けたかった。



「暁はすぐに女の子に流されやすいとこがあるから……俺が以前傷つけたあの子のためにもそうならないようにしてくれって言ってたよ」


「親父……気づいて……？」



心海があの時、俺が惚れた女だと気づいていたことに驚きを隠せない。
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