俺様御曹司に飼われました
「これ」



教授がひとつのスマホを俺の手に乗せる。



「え!?」



渡されたのは日本で使っていた俺のスマホ。
心海と連絡をとることを禁止されていたので、親父に没収されていた。



「受かったら渡すように託されてたんだよ」


「マジですか……」


「彼女に連絡してあげなさい。気を付けて帰るんだよ」


「はい!ありがとうございました」



教授にぺこりと頭をさげる。



「ほら、送ってやるから」


「ありがとうございます」



教授の言葉にリビングへ荷物を取りに行く。


飛行機に11時間乗れば。
明日には心海に会える。



「空港についたら電話しよ。あ、でも海外で使えるんだっけこのスマホ」


「使えるように進藤がしてったぞ」



いつの間にか、近くにいた教授が教えてくれる。



「マジっすか」



いままで、こんなに親父が俺に気を利かせたことはなかった。



「進藤なりに暁のことちゃんと考えてんだろ」


「そうなんですかね……」



俺のわがままで、萌香さんとの結婚を破談にしてまで心海といることを選んだ。

それを条件つきでも認めてくれた親父にこたえるためにも、これからはずっと心海を幸せにしていこうと心に誓った。


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