俺様御曹司に飼われました
──カチャリ



鍵をさすと、音がして開いたんだと分かった。



「なんかドキドキする」



いままで、なぜか開けちゃいけないと言われていた箱。
このパンドラの箱の中身を見れる日なんてこないと思ってた。



『これは絶対に開けちゃダメだからね』



高2のときにそうお母さんに言われたことを覚えてる。

だから、絶対に開けちゃダメなんだと思ってた。
でも、大人になった今。
なんでも自分で解決できるようになった。

だから、今なら見てもいい気がした。



「……っ」



箱の中に入っている1枚の写真。
裏返ってたその写真をひっくり返したとき、見えてきた映像に心臓がバグバクなって止まらなかった。



「な、なん……っ」



うまくなんて喋れない。

どうしたらいいかわかなくて、視界に入らないようにその写真を裏返した。



「……なんで」



そんなことを呟いてみても、誰の返答もあるわけはない。

< 202 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop