俺様御曹司に飼われました
「だって!暁の待ち受け……っ、暁がずっとすきな人……はぁっ……」



息がうまできなくて、言葉にうまくできない。



「心海もういいから……喋るな」



音哉があたしのことを落ち着かせようと抱きしめてくれてるけど、止まれない。



「暁の高校の時の元カノ……はぁ……この人ににてるからあたしは……はぁ……」



息がうまくできない。
自分が自分ではないような、自分なんか存在しないようなそんな感覚に溺れてる。



「おい、もういいから!心海!わかったから!落ち着け!」



両頬をパンッと両手で叩かれる。

痛いなんて感じなかった。
それよりも、手汗がやばくてそして息なんかさっきよりもやばくて。



「だって……はぁ……もう……」


「心海!」


「おと……や……」


「おい!心海!」



名前を呼び続ける音哉に体を支えられながら、あたしは自分の意識を手放した。

本当に自分が自分でないようなそんな感覚で、苦しくて怖くて……もうどうしたらいいかなんてわからないままだった。

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