俺様御曹司に飼われました
「いつからとかそんなの関係ねぇよ。出会った瞬間に好きと思ったら好きなんだよ」



これは……誰が……?

手放した意識のなか、走馬灯のように脳裏に浮かぶ映像。

うちの学校の制服を着た悪魔が女の子にそう話す姿。

相手は……。
あたしに似たあの待ち受けの女の子?



「……よくもそんなこと、恥ずかしくもなく」


「恥ずかしがってなんていられねぇよ。心海を手に入れたいもん」



……っ。
相手は、あたし……?
暁とあたし、厚岸で出会ってた……?



「田舎の女ってちょろいんだな」



場面が通ってた高校の空き教室に切り替わる。



「俺さ、日本で1番でかい会社の御曹司なわけ。こんな田舎で一般人と付き合ったらどうなんかなーって思ってな」



……そうだ。
あたし、高校生のときに暁のこと……。

彼氏のこと裏切ってまで、好きに……。



「心海、別れようってなんだよ!」



暁に振られたのに、彼氏に黙っていればよかったのに。
どうしてもそのまま付き合ってるなんて出来なくて。

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