俺様御曹司に飼われました
「うわぁぁぁぁっ」



目を開けて見えてきたのは自分の部屋の天井。



「心海!?大丈夫か!?」



心配そうに私を見下ろす音哉の顔。



「音哉……」


「ん?」


「付き合ってたこと忘れててごめん」



音哉の目が見開いていく。



「……思い出したよ。全部」



あたしと音哉は小学校3年のときまで、隣の家で。
あたしは二つ上の音哉をずっとずっと大好きで、音哉が3年になったときにあたしから告白したんだ。

それなのに、高校2年のときに暁が編入してきて簡単にあたしの心を持ってった。
でも、いとも簡単にあたしの前からいなくなった。

すべて、遊びだったと言い残して。



「あんなやつ……最低なのに」


「心海……」


「またあたし、あいつに遊ばれたの?」



音哉がずっと見てた、待ち受け画面。
すごく優しい目をしてみていたことを知っていた。

でも、あれがあたしだったなんて。


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