俺様御曹司に飼われました
「遊びではないんじゃないかな?」



ポンポンっとあたしの背中を撫でながら、諭すようにあたしに語りかける。



「でも……っ」


「でも?」


「暁のこと最低だって思ってて……それなのに暁のことが好きなの……どうして!!!」



感情はもうぐちゃぐちゃだった。
どうしてまた、暁があたしの前に現れたのか。



「あの時、あいつが心海の前からいなくなったのは事情があったんだと思うよ」



クイッとあたしの前髪をあげる。

小さい頃から大好きだった人。



「あたし……なんで、音哉のこと好きじゃないの?音哉のことすきなままでいたかった」


「あいつがいなかったら今頃、結婚でもしてたかもな」


「……音哉」



寂しそうな顔をする音哉に、すごく無神経なことを言ったと気づく。



「スマホなってる」



音哉の言葉に、ベッドの横に置いてあったスマホを手に取る。



「……っ」



表示された名前にスマホを床に落とす。

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