俺様御曹司に飼われました
「心海?」
「いや!出たくない!」
何を言われるかわからない。
あたし、また傷つけられたらもう多分立ち直れない。
「俺が出るからな?」
「……っ」
言葉にならなくて、とりあえずこくんと頷く。
「出てくる」
そう言葉を残して、部屋を出る。
いま、電話が使えるということは資格がとれたんだろう。
目標が卒業式には帰ることだったから。
暁なら目標なんてクリアするって思ってた。
でも、思い出さないまま幸せがよかった。
他の誰かを想ってる方が幸せだった。
思い出してしまったら、あたしにはあの頃の惨めな思いしか残らない。
でも、それでも暁のこと嫌いになんかなれない。
あの頃の暁も今の暁も。
どっちの暁も好きなんだ。
今ならわかる。
音哉に対しての好きはお兄ちゃん的な好きだったって。
暁に対してが多分本当の好き。
何があっても揺らぐことなんてなかった。
あたしはその想いも、あの時の悲しみも
すべて忘れたくて、すべてから逃げ出したくて……。
どうして、また……。
思い出してしまったのだろう。
「いや!出たくない!」
何を言われるかわからない。
あたし、また傷つけられたらもう多分立ち直れない。
「俺が出るからな?」
「……っ」
言葉にならなくて、とりあえずこくんと頷く。
「出てくる」
そう言葉を残して、部屋を出る。
いま、電話が使えるということは資格がとれたんだろう。
目標が卒業式には帰ることだったから。
暁なら目標なんてクリアするって思ってた。
でも、思い出さないまま幸せがよかった。
他の誰かを想ってる方が幸せだった。
思い出してしまったら、あたしにはあの頃の惨めな思いしか残らない。
でも、それでも暁のこと嫌いになんかなれない。
あの頃の暁も今の暁も。
どっちの暁も好きなんだ。
今ならわかる。
音哉に対しての好きはお兄ちゃん的な好きだったって。
暁に対してが多分本当の好き。
何があっても揺らぐことなんてなかった。
あたしはその想いも、あの時の悲しみも
すべて忘れたくて、すべてから逃げ出したくて……。
どうして、また……。
思い出してしまったのだろう。