俺様御曹司に飼われました
「え!?ここ!?」


「なんだよ、不満かよ」



不貞腐れた顔であたしを見る。



「不満なんかないですよ!ただ、行きつけだと思ってなかっただけです!」



悪魔に連れてこられたのは、ラーメン屋。
それも高級ラーメンとかではなく、カウンター席しかない小さなお店だ。



「ここ、めっちゃうまいんだぜ」



嬉しそうに話しながら、お店のドアを開けるとチャリーンと音が鳴る。



「いらっしゃい!って暁か!」



カウンターの中でラーメンを作る男性は、悪魔を見て優しそうに笑う。



「俺、みそチャーシューね。お前は?」


「じゃあ……塩で」



悪魔が椅子を引いてくれたので、そこに腰をかける。



「暁が誰か連れてくるの珍しいなぁー」


「まぁ、そうかも」



出してくれた水をカラカラと回しながら、ラーメンを待つ横顔もやっぱりカッコイイ。

イケメンは何をしてる姿もかっこいいんだ。

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