俺様御曹司に飼われました
「……心海」



玄関にいくと、目を細めて優しい顔をしてあたしを見ている暁がいる。



「暁……」


「思い出したんだよな?」



暁の言葉にこくんと頷く。



「全部思い出した……」


「そっか……」



今度は苦しそうな表情に変わる。



「また、遊びだったの?」


「それは違う!」



慌てたようにあたしの腕を掴む。



「だって、あの時は遊びだって……東京に彼女がいるって……なのになんで……待ち受けにしてるの!?あたしとの画像を大切そうに見るの!?泰地さんが持ってた画像あんなに欲しがったの!?」



寝ないでずっとずっと考えてた。
あれが自分だということを知らなかったあたしにとって、高校時代の自分が1番の脅威だった。

いつか現れたらあたしは……ってずっと考えてた。

だって、たまに画像を見てる表情はとても幸せそうで、でもときに辛そうで。

それに、泰地さんからもらったあの画像。
たしかに最後にデートした時に歩いた道だった。

あの画像をすごく欲しがった暁をみて、本当に暁が好きなのはいつまでもこの人なんだって思ってた。
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