俺様御曹司に飼われました
「え、でもあたしも……「俺との思い出じゃ不満なわけ?」



暁があたしの言葉を遮って、あたしと音哉の間に立つ。



「おーおー、本調子だ。こりゃ」



椅子から立ち上がっる音哉。



「音哉、色々ありがとう」


「おう。もう手放すなよ」



暁のことを見つめる。



「はい。もう後悔したくないので」



ぎゅっとあたしの手を握る。



「心海も。これからはこの御曹司を頼れよ」


「うん。いつも迷惑ばかりでごめんね」


「なんも。じゃ、俺帰るな」



ドアに向かう。



「心海のことありがとうございました」



ぺこりと音哉の背中に向かって頭を下げる。



「つぎ傷つけたら、遠慮なくもらうからな」



ふっと笑って、ドアを開けて帰っていく。



「いいやつだよな……あいつ」


「……うん」



我ながら、いい人を好きになったもんだと思う。



「あのさ……」



暁があたしを見つめる。

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