俺様御曹司に飼われました
「ん?」



暁にみつめられるだけで、あたしの心臓は正直ものだからバクバクいって止まらなくなる。
いつか心臓がおかしくなってしまいそうだよ。



「俺、自分勝手なんだ」


「は?」



何を今更と思って、声が大きくなってしまった。



「昨日からあいつといたんだろ」


「へ?音哉?」


「ん。飛行機乗る前に心海に電話したときに出たのが先輩だったから……」



少しふくれっ面で話す暁。



「もしかして嫉妬?」


「なっ……。いや……うん」



だんだん語尾が小さくなっていく暁。



「なんか可愛くなった?」


「うるせーよ。お前のこと、何年好きだと思ってんだよ」


「……っ」



今の言葉はときめいた、キュンときた。



「やっと本気でお前にいけんだよ」


「いままで本気じゃなかったの?」



あたしの言葉にムッとした表情になる。



「本気に決まってんだろ」



ぐいっと腕を引っ張られて、暁の腕の中にすっぽりうもる。

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