俺様御曹司に飼われました
「で?教授がどうしたって?」


「なかなかロマンチックなんだなとか言われたよ」


「えー?暁、何言ったの?」



そんなに暁にロマンチストな部分なんてあっただろうか。
俺様で横暴でしかないのに。



「卒業式に絶対帰りたかったから、絶対に受かりたいって言ったんだよ」


「……卒業式?」


「心海の誕生日だったろ。だから行く時から最短の合格しか考えてなかったんだよ」


「……暁」



暁の心意気がすごく嬉しかった。
あたしの誕生日を覚えててくれたことも、その日になんとしても帰ってこようとしてたことも。



「親父のとこ行こう」


「社長……?」


「うん。心海も一緒に」


「え……」



社長のところに行くとなると、さすがに気後れしてしまう。

あたしは一社員でしかないし、それにまた反対されるかもしれない。



「大丈夫だよ。親父はもう萌香さんと結婚とか考えてないから」



不安を感じ取ったのか、あたしの手をぎゅっと握る。

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