俺様御曹司に飼われました
「親父に出された条件、クリアしたんだ」


「うん。知ってる」



資格を取ること。
それを暁は最短でクリアしてきた。
社長もそこは認めてることだろう。



「条件クリアしたら、反対なんてされねぇんだ。されたら話が違うから抗議するし」


「ん……?」



話が見えなくて、また首をかしげる。



「心海も昔のこと思い出したし」


「う、うん……」



暁の独り言に聞こえてくるのは気のせいだろうか。



「昔のこと思い出しても心海は俺を好きでいてくれた」


「うん。そうだね」



ひたすら暁の独り言に相槌を打っているだけのような気がしてしまう。



「もう、邪魔ものはいないから俺と結婚しよう」


「え!?」



やっと独り言に聞こえなかった言葉は、あたしにとって信じられない言葉だった。



「返事は?」


「え!?あ!う……「ここでプロポーズとかなかなかやるな、暁は」



あたしの言葉を遮るように聞こえてきた、いつの間にか廊下にいた社長の言葉。

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