俺様御曹司に飼われました
「親父!?」



さすがに恥ずかしようで、顔を真っ赤にしている暁。



「まぁ、たしかにもう反対するつもりはないよ」



社長があたしたちに向かって歩いてくる。



「ほらな?」



あたしに微笑む暁。



「ただ、茅ヶ崎さんの返事がダメだった場合は恥ずかしいな。暁」


「なっ!そんなわけねぇし!な?」



慌てたようにあたしを見る。



「は、はい!断るつもりはなかったです!」


「ほら、親父が邪魔するから答えれなかったんじゃん」


「ははは。すまないね。こんな息子だけど、よろしく頼めるかな?」



あたしに向かって手を差し伸べてくる。



「も、もちろんです……」



緊張しながら、社長の手に自分の手を重ねる。



「結婚式とかもろもろなことは今後話し合っていきなさい」


「わかってる」


「それと、茅ヶ崎さん。次期社長夫人とかいろいろ言われるかもしれないけど、気負うことはないから。普通に生活してくれて構わないから」


「……はい」



正直不安だった。
会社で何を言われるかも、そして社長夫人としてちゃんとできるのか。
すべてが不安だった。

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