俺様御曹司に飼われました
「名前、覚えてなかったお仕置きしていい?」



あたしの返事なんて聞かずに倒される、あたしが座っている車のシート。



「ちょ、まだ何も……」


「悪いとか思わねぇのかよ」


「それは思ってるけど……」



悪魔、悪魔って思ってたから。
下の名前なんて考えたこともなかった。
一度はじめに言われただけだし。



「じゃあ、お仕置きな」


「こ、こんなとこで……」


「大丈夫。外からなんて見えねぇから」



窓ガラスに手を触れる。

たしかに、この車の窓ガラスはスモークガラスになっている。
だから、外からはみられない。



「だからって……」



いくら車を道の端に寄せてるとはいえこんなところでという、焦りがあたしにはある。



「黙れよ」



そう悪魔が口にした瞬間、あたしの唇は悪魔の唇によって塞がれる。



「ふっ……んっ」



強引に割入れられる悪魔の舌。

いやなのに、いやじゃくて。
こんなところいやなのに、甘い声が漏れてしまう。
止められない、熱くなる体。

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