俺様御曹司に飼われました
「こんなとこで煽んなよ」


「なっ……!」


「さすがに、ここで最後までなんて考えてねぇし」



すっかり、熱くなっていたあたしの体。
どうやら、熱くさせられるだけで終わってしまったらしい。



「ん?その気になっちゃった?」



ニヤっと笑ってあたしの顔をのぞき込む。



「……っ!?最初からそのつもりで!?」


「んー。どうかな?ま、映画決めて」



あたしのシートを起こしてもう1度手にスマホを持たせる。



「……っ、もうっ」



なにやってるんだろ。
なに、準備万端みたくなってるんだろ。
あんなに熱いキスをされて、熱くなってしまって。
火照った体が冷めない。

たぶん、お仕置きは〝オアズケ〟なんだ。



「帰ったらな」



あたしの頭をポンポンと叩く。



「……っ」



いつの間にか、悪魔に振り回されてる。
いつの間にか、悪魔主導になってることが腑に落ちない。

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