俺様御曹司に飼われました
「名前、もう1度教えてください……」


「ふっ、あきらな。暁って字1字で暁」


「いい、名前ですね」


「ふは。覚えてなかったくせによく言うよ」



なぜか、ご機嫌になった悪魔はそのまま車を発進させる。



「えーっと……」



スマホの画面をもう1度みて、見たい映画を探す。



「ホラー以外な……」


「え!?ホラー苦手?」



普段、偉そうなのにホラー苦手なんて可愛くてつい頬が緩む。



「なに、笑ってんだよ。苦手とかじゃねぇよ、気分じゃないだけだ!」



耳まで真っ赤にしてそんなことを言う悪魔。



「そうですか」



あっさり認めてしまうけど、内心はおかしくて仕方ない。



「あ、あたしこれ見たいです」


「ん?なに?」


「これです」



あたしが見せたのは、ケータイ小説が原作になった映画だ。



「あー、これ最近はやってるよな。いいよ」


「じゃあ、これで。スマホホーム画面戻しますね」



ホームボタンを押して操作する。



「ちょ、いい!」



慌ててあたしからスマホを取り上げる。

< 37 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop