俺様御曹司に飼われました
「こんなに悪魔でいっぱいにしておいて、それはひどいなぁ……」



自分がバカで笑えてくる。
騙されてあげてたはずだった。
でも、どこかで期待していたんだ。

──本当にあたしのことを好きなんじゃないかって。

本当にそう思えてくるほど、悪魔の言葉はいつも甘くて。
俺様だけど、すごく甘い言葉をふりかけてくる。

だから、勘違いしてしまいそうになるんだ。

でも、やっぱりそれは違うから。
悪魔の好きな人は別にいるから。

もしかしたら、今日のキスの相手が好きな人ではないのかもしれない。
でも、甘い言葉を紡いでた悪魔はやっぱり嘘だったってわけで。

好きな人の存在にはどうやっても勝つことなんか出来ないんだ。



「あっ……」



手に握ってた、マカロンの袋が無いことに気がつく。



「家に置いてきたか……」



あたしだってバレなきゃいいやって思ったけど。



「メッセージカードつけちゃったなぁ」



メッセージカードを付けたことを心底後悔した。
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