俺様御曹司に飼われました
「どうした?御曹司と喧嘩でもしたか?」



家についたあたしを優しく笑って出迎える音哉。



「喧嘩はしてないよ……」


「どしたんだよ」


「キスしてた……」


「は?」



あたしの答えに目を見開く。



「キスしてた……」


「や、もうわかってるって。いいや、とりあえず座れ」



テーブルの前にあるクッションをポンポンと叩いてる。



「……ありがと」



言われた通りに、クッションに腰を置く。



「久しぶりだな。ここに来るの」


「そう、だね……」



最後にきたのはいつだったか。
あ、寮に入る前の日か。
研修が終わったからみんなで打ち上げをしたんだよね。
その帰りに終電がなくなったから、音哉の家に来たんだ。

あの次の日から、あたしには悪魔がいたから。



「なに、浮気ってこと?」


「たぶん……好きな人」


「好きな人?」



音哉の眉間にシワがよる。

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