俺様御曹司に飼われました
「ほら、連れてきたぞ」



地下の駐車場に行くと連れてこられた矢先。
駐車場の扉をあけてすぐに聞こえてきた、御堂さんのセリフにバッと顔をあげる。



「……心海」



顔をあげた先には、いつも一緒にいた彼の顔。



「御堂さん……」



御堂さんのスーツの裾を引っ張る。



「ごめんな。暁が珍しく焦って電話してくるもんだから。ちゃんと話してやって」



あたしの頭をポンっと叩いて自分の車へ向かう。



「こういうことされると困る……」



御堂さんが自分の車に乗り込んだのを見届けて、悪魔を見ずに話す。



「なぁ、なんで帰ってこなかったんだよ!?」



あたしの顎をクイッと上げて、自分の方を見させる。



「……っ」



近くになった悪魔の顔にドキドキしないように抑えてた心臓が動き始める。



「なあ、なんで?このマカロンはなに?」



あたしの目の前に、昨日買ったマカロンの袋が掲げられる。

< 59 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop