俺様御曹司に飼われました
「あたし、好きな人がいるの……」


「は?」



眉間にシワが寄っていく。



「昨日はその人の家にいた」


「……んだよ、それ」



悪魔の表情が一気に苦しそうな顔になる。


あたしのこと好きでも無いくせに。
あたしが帰ってくるかもしれないって分かってるはずなのに、キスをしてるんて。
そんなの、あたしのことなんて考えてないでしょ。



「とにかくもう帰らないから」


「なんでだよ!このメッセージお前からだよな!?そんな風に言う奴が書くようには思えねぇんだけど」



この人はどうして気づいてくれないんだろう。

あたしがキスシーンを見たからだって。
好きな人が他の人とキスをしてる姿なんて、見てしまったらもう。



「これを渡して別れるつもりでした。ごめんなさい」



マカロンのことは聞かれると予想してた。
メッセージのことも。

だから、仕事中に必死に考えた言い訳。

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